T字帯
越中フンドシそのもの、手術のときは全裸にこのT字帯のみ着けて、文字通り「フンドシ一丁」で手術台に上がる。それまでに病室で尿道に管を入れたり、腕の血管に点滴の針を入れ、胸には手術室の様々な計器類に接続するための電極の付いたコードが貼り付けられる。このように全ての準備を整えて手術室に搬送される。
手術台に仰向けに寝かされると、胸から足首まで手術用のカバーで覆われ執刀医が股間に局部麻酔を打つ。検査技師が定規で胸の厚みを測って、造影機器の高さを調節。胸に貼り付けられた電極のコードがそれぞれの計器類に接続。口と鼻を覆う形の酸素マスクが看護婦の手によって装着される。手の指には血液中の酸素の量を測る洗濯バサミのようなもの。これらの作業が僅かな時間で手際よく行われ、そのうちに股間に打たれた局部麻酔が効いてきて、ようやく股動脈にメスが入る。
下の写真は5度の手術に使ったT字帯、手術のときの出血の痕が残っている。



着装したT字帯